
【W杯森保監督愛用~キャンパス~のコクヨが語る】仕事ができる人はインプットをどうアウトプットにつなげている? 2022.12.28

自分らしい考え方を高めたい人におすすめ
・会議で自分らしい意見を言えるようになりたい人
・発想力や企画力を高めたいと考えている人
・キャリアを主体的に伸ばしていきたい人
メモの習慣が自分らしい考える力を伸ばす
日常の情報を自分の知識として血肉化し、企画立案や問題解決等のアウトプットに活かせるようになる。
『考える人のメモの技術』とは?
自分らしいアウトプットをつくるには、外から得た情報と頭の中にある考えをミックスさせて、アイデアや企画に昇華させる行為が必要で、その具体的方法を提示します。
ノートは1冊にまとめない。目的で使い分けるのがおすすめ
メモの目的は大きく分けて3つ。
①記録メモ:会議などの備忘録メモ
②インプットメモ:気づきや役に立つ情報のメモ
③アウトプットメモ:書きながら考え思考を進めるメモ
これをゴチャゴチャにすると大切な情報が雑多な情報に埋もれてしまいます。
考える力を伸ばすなら「インプットメモ」と「アウトプットメモ」の使い方が大切。
近頃W杯で日本代表監督の森保監督がキャンパスノートを使って、メモをしていることが注目され話題になっています。
様々な媒体から多くの情報を手に入れることができる今の時代では、自ら考えて情報を取捨選択し、対面する課題を解決し続けられる力が求められます。
彼の様にトップで活躍する多くの人たちにインタビューを重ねてきて分かってきた、「考える人のメモ術」を少しだけご紹介します。
【STEP1】インプットとアウトプット用のノートを用意する
コクヨで仕事のできる人のノートの使い方を調べてみたところ、ノートを1冊にまとめている人が少ないなと感じました。小さいノートと大きいノートを目的に合わせて使い分けているんです。
そこで、思いついた結論はインプットメモとして使える小さめのノートと、アウトプットメモとして使える大きめのノートを使い分ける方法です。
備忘録としての記録メモは、アウトプットメモと兼用でもいいと思いますが、大切なのはインプットメモを他の目的とは別にしておくということです。
なぜならば、インプットメモに書いておくことは後々でも役に立てたいと思う珠玉の一言が書かれているわけです。これと「明日の集合時間は10時から」といった雑多な情報を混ぜておくと、大事な情報をすぐに見つけることができなくなってしまいます。
おススメのノートとしては「インプットメモ」は測量野帳、「アウトプットメモ」はキャンパス ノートパッドのA4ヨコ使いのものです。
↑ 画像左側が測量野帳。右側がキャンパスノートパッド。
もちろん、このノートでなくてもいいですが、選ぶポイントは以下になります。
「インプットメモ」は、すぐに取り出せて常時持っていたいと思える愛着が持てるノートがいいでしょう。「アウトプットメモ」は、ある程度大きなサイズで、1つのテーマが1枚でまとめられる大きさのノート。こちらノートでなくてもコピーの裏紙でもOKです。
【STEP2】インプットメモに、メモの基準を書く
自分の知識を高めたいと思っても、何をどこまでメモすればいいのかわからないと思う人もいるでしょう。いろいろ面白いと思ってメモをし続けますが、結局疲れて長続きしない。
つまり、書くか書かないかを判断する「メモの基準」をつくっておくといいわけです。
人間の脳は特定の事柄に意識を向けると、それを認識しようとする性質を持ちます。
具体的には、ノートのはじめのページに、「活用したい情報」と「面白いと感じる情報」は何かを考えてリスト化するわけです。「活用したい情報」とは、仕事や試してみたい、アイデアの参考にしたいといった情報。「面白いと感じる情報」とは、すぐに使えるかわからないが、自分の感性や嗜好性に合っているなと感じる情報。
こうしておくことで、自分が情報を取捨選択する基準を持てるわけです。もちろん、毎回メモの基準を見ながら情報を選ぶ必要はありません。頭の片隅にメモしたいテーマを置いておくくらいの気持ちでいいでしょう。
【STEP3】インプットメモに、情報+気づきを書く
せっかく、いろいろメモしても自分の知識に活かせていないと感じる人も多いのではないでしょうか。それは書いた情報が自分ごとになっていないからです。
なので、情報をメモするときに自分が感じた「気づき」を加えてみてください。
気づきと言うと何か特別なヒラメキのような気がしますが、単に頭に浮かんだこと、たとえば「部下育成の参考になる!」「クールさと優しさのギャップに泣かされるな」といった簡単なコメントでOKです。
自分の外にある情報(客観的な事実)に対して、気づき(主観的な解釈)を加えることで新たな思考のパターンを得られます。
気づきはインプット情報の隣、もしくは下に、「▶」「★」「→」などのマークをつけて書いておきましょう。
もちろん全ての情報に気づきを書く必要はありません。何かまとまった情報を得たところで、1つ2つ気づいたことを書き加えるので十分です。
たとえば私は、あるWEB雑誌の記事をみて、先日以下のようなメモを書きました。
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「時間は動作の影である」トヨタの言葉(プレジデントオンラインより)
▶残業時間を削減するなら行動を見直す
▶応用がきく言葉、「信頼は約束の影である」「売上は提案の陰である」等
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これだけ書いておくと、何か残業時間を削減しようという話が出たときに、無理に時間を削るのではなく、無駄な行動は何かないかなと意識できます。
売上アップする方法を考えるときにも、無理に訪問件数を増やしたり、安売りするのではなく、提案の質をあげるにはどうすればいいのだろうという思考を得ることができるわけです。
【STEP4】アウトプットメモに、全てを見える化して書く
考える力がある人は、メモにツラツラと書きながら「ああでもない、こうでもない」と思考をめぐらして考えています。
一方、考えることが苦手な人はあまりメモを書きません。何か2、3行、考えるべきテーマと諸条件を書いただけで手が止まり、「ウ~ン、ウ~ン」と悩みだします。
ここで意識してほしいことは「言葉で書けないことは考えていないのと同じ」ということです。そもそも考えるとは、モヤモヤと頭に浮かんだ困りごとやイメージを言語化しながら深めていく行為です。
では実際に、どのような順番で書けばいいのでしょうか。
まず、紙の左上に考えるべきテーマを書きだします。
これはかなり重要で、そうしないと考えている途中で思考が脱線しがちになります。
次に、内容を考えはじめますが、いきなりアイデアをドンドン書き出すことはしません。
「現状」「課題」「打ち手」。
この順番で書きながら考えることが、とても大切です。
たとえばA4用紙1枚に問題解決のメモを書き出すとすれば、
左1/3に「現状」、真ん中1/3に「課題」、右1/3に「打ち手」としてみます。
例として「残業削減の打ち手」を考えるとしましょう。
左1/3の「現状」のところに、
「現状の残業時間」「残業の削減目標数値」「残業に対するアンケート結果」
「残業に対するヒアリングの主だった声」「他社の残業削減の事例」など、
考える上で必要な情報を書き出します。
次に、真ん中1/3の「課題」のところに、
「なぜ残業時間が増えているのか、主な原因は何か」
を書き出して、原因を整理し課題の本質を探していきます。
最後に、右1/3の「打ち手」のところに、
「どうすれば課題は解決できるのか、具体的な打ち手は何か」
を書き出し、効果的かつ実現できそうな方法を探っていきます。
この「現状」「課題」「打ち手」という順番は、あらゆるアウトプットを考えるときに有効な流れになります。企画を考えるときなどに活用してみてください。