2026年9月18日

第24回 動き出すから、安定する

やる気ペンリーダーが時間外に書くコラム🌱YARUKI OFF(やる気オフ)

個人的な話なのですが、僕は週末になるとボランティアでカヌーのガイドをしています。カヌー歴は30年近くになり、これまで日本中の川を漕いできたのですが、好きが高じてインストラクターの資格を取り、今年で4年目になりました。

カヌー教室には、小学生からシニアの方まで、年間200人を超える実に多様な人たちが参加してくれます。

初心者の方が来られた際、陸上でのレクチャーはわずか15分程度。それが終わると、すぐさま本番の川へツアーに出発します。「そんなので本当に大丈夫なの?」と思われるかもしれません。ですが、水を漕ぐ感覚というものは、陸の上でいくら頭で学んでも、一ミリたりとも掴むことはできないのです。
実際に水の上に浮かび、パドルを動かして手に伝わる水圧を感じてはじめて、「ああ、水を漕ぐとはこういうことか」と、身体で理解できるようになります。

カヌーは自転車と同じで、前へ漕ぎ進めてはじめて安定する乗り物です。けれど、慣れない最初のうちは誰もが怖がり、恐る恐るパドルを滑らせるため、どうしても艇がグラグラとフラついてしまいます。

そんなとき、最も即効性がある特効薬は「限界まで力いっぱい漕いでみる」という体験です。

まずはスタッフが艇を支え、転覆の不安を無くした状態で、とにかく限界までがむしゃらにパドルを回してみる。そうして一瞬でもしっかりと力強く水を捉えられたとき、人ははじめて「自分の中に眠っていた漕ぐ力」の存在を実感できます。

不思議なもので、この身体的な手応えさえ掴んでしまえば、さっきまでグラグラとフラついていたカヌーが、嘘のように安定してスイスイと前へ進み始めるのです。

理屈や理論を頭でこねくり回す前に、まずは新しい世界に飛び込み、失敗を恐れずに全力を出し切ってみる。自分の中にある力を知るからこそ、はじめて本当の意味で「前へ進む」ことができるようになる。何か新しい挑戦や学びを始めるときも、きっとこの「順番」が大切なのだと思います。

今週も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

【今週の気になる言葉】
人生とは自転車に乗るようなものだ。倒れないようにするには、走り続けなければならない
――アルバート・アインシュタイン(物理学者)


やる気ペンリーダーが時間外に書くコラム YARUKI OFF(やる気オフ)

「やる気ペンプロジェクト」を立ち上げてから約10年となりました。リーダーとしてジタバタともがく毎日ですが、時の流れはどんどん加速し、ますます先行きが不透明になってきたように感じます。週に一度その激流から離れ、今見えている風景や心がザラッとした出来事などを書いてみたいと思います。すぐに役に立つことはあまりないかもしれませんが、素直に自分の五感に従って、週一回お届けできたらと思います。

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