INTERVIEW

インタビュー
スタイリスト
池田尚輝さん

<KOKUYO ME スタイリストインタビュー>
池田尚輝さん編:
「シンプル美を追求した文具」に出会うまで。
池田さんが語るKOKUYO MEとは

男性誌『UOMO』や『GQ JAPAN』をはじめ、カタログや広告などで幅広く活躍しているスタイリストの池田尚輝さん。その手腕から〝オールラウンドプレイヤー〟との呼び声も高く、手がけるスタイリングは、スーツスタイル、モード、カジュアルまで、ジャンルを超えて多岐に渡る。19年間のプロ人生の中で「本当に良いもの」を見極めてきた池田さんの審美眼は、KOKUYO MEにどう繋がっていったのか、その軌跡を伺いました。

洋服馬鹿だった少年、スタイリストを目指す

ーどのような経緯でスタイリストになられたのですか?

池田尚輝(以下、池田) 興味を持ちはじめたのは、中学に入ってすぐの頃。東京の服飾専門学校に通っていた姉に、着こなしを指摘されたことがきっかけでした。使うアイテム自体は変わらないのに、姉の言う通りにアレンジすると途端に印象が垢抜けて見えて、着こなし次第でこうも変わるものかと。ファッションの面白さを知った瞬間でしたね。とにかく服を見るのもコーディネートを考えるのも大好きで、高校卒業後はファッション専門学校へ入学。そして在学中に、ご縁のあったスタイリストの坂井達志さんにアシスタント入りしました。

ー憧れの職業へ向けて、スタートを切ったわけですね。

池田 はい。ですがアシスタント期間中に一度、スタイリストの道から逸れてサラリーマンを経験したこともありました。それでも、やはり自分にはこの道だと思い軌道修正し、師匠の承諾も得て23歳で独立。4年半フリーのスタイリストとして活動しました。それから一度N.Y.に活動拠点を移し、帰国後は海外での経験を活かしつつ、国内で活動を再開。現在に至ります。

好きなものと、自己流スタイルの確立

ーこれまでの環境変化の中で、好きなスタイルはどう変わりましたか?

池田 中学生の頃はフレンチカジュアルでしょうか。今思えばという感じですけどね(笑)。それから高校生の時に古着に出会い、ストリートカジュアルに目覚めました。専門学生の頃からアシスタント時代までは、ほとんどヴィンテージがメインの着こなし。そこに、昔好きだったフレンチカジュアルや師匠の影響を受けてかじったモードが少し混じってきたりもしましたね。N.Y.にいた頃は、当時の時代背景もあってトラッドの影響を少なからず受けたと思います。以降、現在は「ヴィンテージ×モード」がスタイリングの軸になっています。

ーお好きだという「ヴィンテージ」の魅力を教えてください。

池田 「現在」の自分が手にすることで、数十年近くの間眠っていた「過去」のものに、新たなファッション価値が生まれる…そんなところに魅力を感じます。時間が経ったものなので、どう着こなせば今っぽく見えるか、そこに自分のクリエイションを加えられるのもまた面白いですね。トレンドものと違って、今年買ったからといって来年着られなくなるわけではない。長い時を経てアイテムとして蘇ったものだからこそ、時代の流れに左右されることがない。そうやって、何に振り回されることなく長く着られるのも、ヴィンテージの良さの一つだと思います。

ー長く使いたいと思えるものに出会えるのは、素敵なことですね。

池田 そうですね。元々、気に入ったものは長く使い続けたいと思う性分なので、ヴィンテージショップで購入したもののほかにも、愛用歴の長いアイテムは結構ありますよ。例えばHAMILTONの時計に、FILSONのダッフルバッグ、SAINT JAMESのカットソー。この3つは高校生の頃から今もなお現役で、かれこれ24年使っています。重ねた年代を考えると、これも立派な一つのヴィンテージと言えそうですね。

シャープでソフトなライフスタイル

ー休日はどのように過ごしていますか?

池田 時間を見つけては、国内外の建築物を鑑賞しています。最近だとフランスで、建築家ル・コルビュジエの設計した建物を見に行きました。構造や色合わせをチェックするだけでなく、実物を見なければ味わえないようなスケール感を味わったり、そのものがもつ空気を肌で感じるのが好きなんです。スタイリストの仕事は基本的にアウトプットが多いので、時には外から刺激をもらって、良いインスピレーションに繋がればいいですね。

ー池田さんが目指す、憧れのライフスタイルとは?

池田 キリッとしていて、でもどこか柔らかい…そんな「モダンと温かみを両立」させた雰囲気に惹かれます。最近気になっているブラジリアン家具は、シルエットはシャープで直線的なのに、素材は木やレザーを使ったナチュラルな風合い。このバランスがすごく良い。この感覚は、例えば黒のニットは辛く見えるから編み地は優しいローゲージを選ぶといった具合に、ファッションにおいても言えること。今はこういうバランスを大事にしたいですね。

スタイリスト池田さんが語るKOKUYO ME

ー今回メンズのスタイリングを担当されたKOKUYO MEの魅力について教えてください。

池田 とにかく色味がおしゃれ。大人の男性が持てて、ちょっと爽やかで。色のトーンが今の時代としっかりリンクしているから、抜群に今っぽいんですよね。特にゴールデングリーンはファッションアイテムではよく見かけるトレンド色ですが、文具でこの色はなかなか見つけられない。流行や時代感をプロダクトに真摯に反映しているのだなと、感心させられました。服と違って直接身につけるものではないので、似合う・似合わないを気にせず、さまざまな色にトライしてみると良いと思います。男性は女性と違い、普段のおしゃれで色を取り入れるということがなかなかないので、文具だからこそできるカラーリングをぜひ試してほしい。

ーメンズ目線で見て、デザインはどうですか?

池田 ツルッとしたボディにマットなラバーのシャープペンシル、辛めのグレイッシュブラック×ピンクカッパーの背表紙…こういう対極にある素材や色同士の組み合わせにセンスを感じます。どこか構築的なデザインは、イタリアのデザイナー・ジウジアーロにも通ずるものがあるような印象を受けましたね。見た目もスタイリッシュで握り心地も良い。これはきっと「長く愛用したい」と思える逸品になるはず。

ー6色のカラーバリエーションをおしゃれに楽しむコツは?

池田 オール白やオール黒など、アイテムを全部同じカラーで揃えるというのは1つの手。もう少し遊んで、オールピンクだって全然ありですよね。色のトーンが落ち着いているから、男性でも違和感なく持てると思います。さらにカラーリングを楽しむなら、思い切って全色変えてみても良い。文具の良いところは、服と違って色モノに気軽にトライできること。普段モノトーンばかり選ぶという人も、ものは試し。「色を制するには色で挑め」ということで、ピンク×黄緑のような派手めの配色も、ぜひ一度トライしてみてください。

IKEDA’s SELECT

気に入ったものを長く愛用したいので、色は飽きのこないモノトーンで統一。これなら普段のバッグから取り出す時も、違和感なくまとまります。黒の分量が多いと印象がシャープになりすぎてしまうので、見た目に少し軽さが出るよう、白のアイテムの方を多めに選んでいます。一見シンプルですが、よく見るとボディやグリップの素材にこだわりが見られるのも素晴らしい。[シャープペンシル・ボールペン・消しゴムはKOKUYO ME、その他はスタイリスト私物]

PROFILE

池田尚輝 | Naoki Ikeda
スタイリスト

スタイリスト坂井達志氏に師事後、2000年よりスタイリストとして独立。男性向けファッション誌を中心に活動した後、2005年に渡米。N.Y.での作品制作の経験を生かし、現在は雑誌『UOMO』や『GQ JAPAN』をはじめ、カタログ、俳優・ミュージシャンのスタイリングからブランドコンサルティングまで、多岐に渡り活躍している。

Instagram:@works_by_naoki.ikeda