公式アカウント
Twitter Instagram

ABWって何だろう?これからのワークスタイルの常識!?

2021.01.26

ABWって何だろう?これからのワークスタイルの常識!?

ABWって何だろう?これからのワークスタイルの常識!?

コロナ禍で急速に進んだテレワークをベースとする働き方。半年~1年と時が経つにつれ、そのメリットやデメリットが分かってきました。ポストコロナにおいても「元の働き方に戻る」のではなく、リモートの良さや、この機に気づいた家族との時間や自分の時間を尊重しながら働いていきたい、と考えている人も多いはず。今回は、これからの働き方のキーワード「ABW」についてご紹介します。実は多くの方が知らず知らずのうちに実践しているかも!?

コロナ禍で急速に進んだテレワークをベースとする働き方。半年~1年と時間が経つにつれ、そのメリットやデメリットが分かってきました。今、多くのオフィスワーカーが感じていることは、ポストコロナにおいても「元の働き方に戻る」のではなく、メリットを最大限に生かしながら、自身にとって最適な働き方を模索したい、ということではないでしょうか。

今回はこれからの働き方の潮流についてお伝えしたいと思いますが、まずは、2020年に働き方がどう変わったのかを、コクヨがまとめたWORK TRASFORMATION vol.2(コクヨ株式会社ファニチャー事業本部,2020/10)から振り返ってみようと思います。

 

「真の働き方改革元年」だった2020年を振り返る

日本中のみならず、世界中が「コロナ一色」だった2020年。それまで数年間にわたって各社で地道に続けられてきた「働き方改革」は、皮肉にもコロナによって大きな節目を迎えました。働く人のほぼすべてが、望むと望まないとにかかわらずワークスタイルを変えることになり、働く場所だけでなく、働き方や働く意義・価値観に至るまで、それぞれが考え、思いを馳せた年でもありました。

 

2020年の出来事とワークスタイルの変化

一オフィスワーカーとしての視点で2020年の出来事と、その間、ワークスタイルがどう変わっていったのか、コクヨの事例をご紹介しつつ、振り返ってみたいと思います。

 

◆1月14日、日本で始めて新型コロナウィルスの感染が判明

日本で最初の感染者として中国武漢に滞在歴のある男性の感染が報告されたのは114日。この頃はまだ、この新たなウィルスと自分との関係を予想できていませんでした。

 

◆2月3日、横浜港に寄港したダイヤモンドプリンセス号でクラスター発生

2月3日、クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号内でクラスター発生が判明。この後、テレビのニュースには連日、横浜港の様子が映し出されました。防護服に身を包んだ医療関係者の様子に何か不吉な予感を感じつつも、まだまだ多くの人が働き方を変えるには至らない段階でした。

 

◆3月、第1波の感染拡大、全国の学校の一斉休校も

感染者数が急激に増え始めた3月。32日には当時の安倍首相が全国の小中学校、高校、特別支援学校に臨時休校を要請しました。コクヨはこの頃から、可能な限り在宅勤務を実施し始めました。

 

◆3月24日、東京オリンピックの延期発表

3月24日、政府は東京オリンピックの延期を正式発表。この頃を境に多くの人が自らの行動を変え始めたのではないでしょうか。

 

◆4月7日~5月25日、「緊急事態宣言」発出に伴い、全国的に在宅勤務が広がる

4月7日から東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡に出された緊急事態宣言は、その後、対象範囲を全国に拡大しました。多くの企業が出社を制限し、在宅勤務を開始。

WORK TRANSFOMATION Vol.2 ABWとは 01

4月以前とその後(外出自粛中)を比べると、オフィスと自宅で行う仕事の比率が一気にほぼ逆転した

 

コクヨも410日には対象7都道府県のオフィスを閉鎖し、413日から531日まで原則出社は禁止、社内外との打ち合わせはほぼすべてがオンライン会議に移行しました。

それまで育児中や介護中など、事情がある人のみが行っていた働き方が一気に広がることで、共働き夫婦が一つ部屋の中で働くことで生じるさまざまな不都合や、幼い子供の育児と仕事の両立は相当困難であることなど、課題も明らかに。一方、これまで当たり前すぎて何とも思っていなかった上司・同僚・部下との日常的な挨拶や、互いの近況共有によるコミュニケーションの重要性について、多くの人が気づいた時期でした。

 

◆5月25日、「緊急事態宣言」解除

全国で緊急事態宣言が解除されたのは525日。徐々に出社できるようになり、休業していた飲食店の営業も再開され、少しずつ日常を取り戻したかのように見えましたが、感染リスクがあることに変わりはありません。

コクヨでは、61日から出社可能になりましたが、マスク、消毒の徹底はもちろんのこと、大型のワークテーブルに座れる人数は従来の約半分に制限し、会議スペースには飛沫防止のためのアクリル板を設置されました。フリーアドレスオフィスでは万が一の感染者発生に備えるために、その日座った席を記録する仕組み(イマココ連絡票)の運用を開始しました。

WORK TRANSFOMATION Vol.2 ABWとは 02

コクヨでは緊急事態宣言解除後の6月も出社比率は約3割。在宅での勤務は続けられた。
出社理由は、押印・印刷もさることながら、コミュニケーションが目的と答える人が多かった。

 

◆7月~8月、GO TOトラベルキャンペーンのスタートと第2波の到来

落ち込んだ経済の底上げを狙うGOTOトラベルキャンペーンがスタート。人の移動が促進されると共に、感染数も増加。テレワークが可能な業種やワーカーにおいては、在宅勤務が定着。

コクヨでも多くの社員がオンラインコミュニケーションに慣れ、働き方の「ニューノーマル」が定着。アフターコロナも毎日出社する日々には戻らない可能性を多くの人が感じ取っていた時期でした。

 

◆12月以降、第3波から再びの緊急事態宣言へ

12月に入る頃から、第2波をはるかに上回るスピードで再度感染が拡大し、年末には東京都で1000人超。病床ひっ迫と医療現場の危機を踏まえ、202118日、首都圏等で再びの緊急事態宣言が発出されました。

 

働く個人の価値観はどう変わったのか?

働く場所や働き方が劇的に変化したことにより、個々人の仕事に対する価値観や志向は、それまで思っていたよりも多様なものであることも見えてきました。

◎働く人の価値観6タイプ

こちらはコロナ禍のワーカーアンケート結果をもとに分析した働く人の価値観タイプ分け6分類です。

WORK TRANSFOMATION Vol.2 ABWとは 03

縦軸には自律志向か協調志向か、横軸には変化志向か継続志向かを置いた上で、その度合いも加味してタイプ分類を示しています。

若い世代であればあるほど、自分のルールで行動し、新しい働き方を自ら開拓したいタイプ(変化志向×自律志向)が多く、年齢が上がるほどこれまでの経験値・実践知を重んじ、協調を志向する(継続志向×協調志向)という傾向は見られるものの、すべての年代において、図に示した6分類が一定程度存在しています。

ご自身はどのタイプにあてはまりそうですか?

レポートをまとめた弊社ワークスタイルイノベーション部によると、「これからは『みんな一緒』という共通性を優先するよりも『個々人のユニークな個性が発揮』できるカスタマイズ性を実現できる環境」がキーになるとのこと。

 

◎変えることと変えないこと

またこれからの働き方において「変えること」は、会議や業務スタイルの効率化、書類削減など、これまでも取り組んできた課題がずらり。ほぼ強制的なテレワークを通じて、意外と「まだまだ余地がある」ことに気づいた人が多かったかもしれません。

一方、「変えないこと」の筆頭は「雑談・気軽な相談」でした。互いの信頼感やつながりを深めるコミュニケーションはやはり直接会わないと難しい、というのが、2020年を経験したワーカーの実感値のようです。

WORK TRANSFOMATION Vol.2 ABWとは 04

 

2021年以降の働き方は「ABW」へシフトする

こうした変化を踏まえ、2021年以降の働き方はどうなっていくのでしょうか。

仮にワクチンによってコロナウィルスへの懸念が払しょくされたとしても、「働き方改革」を数年前から推進してきた日本、および日本企業が一度は変化した働き方を完全に「元に戻す」ことはないでしょう。

将来を見据えるキーワードは「ABW」と「ウェルビーイング」だと言われています。

 

ABWとは

まずは言葉の定義から見ていきましょう。

ABW:Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略

「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方のこと。

元々オランダから始まったワークスタイルで、グローバル企業をはじめ国内企業でも多く取り入れられています。ノートパソコンなどのモバイルツールを駆使しながら、働く人がいまやるべき仕事に対して、いつ・どの場所でやるのが最も効率がいいかを自分で決めることができます。

WORK TRANSFOMATION Vol.2 ABWとは 05

たとえばフリーアドレスは、原則、出社した状態で、オフィス内で自由に「場」を選択すること。
一方、フレックスタイム制は働く「時間」を自由に選択できるというもの。
ABWはこの両方を統合。場所もオフィス内のみならずあらゆる場所が選択肢となる。

実はこれまでも、クリエイティビティを求める組織や、優秀な人材確保の競争が激しい企業・業界を中心に「ABW」導入が進んできましたが、コロナ禍を経てテレワークが急速に進んだことで、自宅と会社以外にも働く場所をよりハイブリッドに選択するワークスタイルが急速に浸透しつつあります。

その証として、コワーキングオフィスやワーケーション施設の増加、電源・Wi-Fi完備のカフェの増加など、皆さんの身近でも変化を感じる事象が見つけられるのではないでしょうか。

一方で、コクヨ社内で「在宅勤務を希望するか」、「オフィスは必要か」というアンケートをとったところ、半数近くが引き続き在宅勤務を志向する中、約65%が「オフィスが必要だ」と答えています。

WORK TRANSFOMATION Vol.2 ABWとは 06

自宅を1stプレイス、職場・オフィスを2nd プレイス、その他のカフェやコワーキングスペースを3rd プレイス、それぞれの場所にそれぞれを適した仕事があることを体感し、「その日やることに応じて」使い分けるという発想が徐々に浸透しつつあるようです。

さらにそれらすべての場所を包含する4thプレイスとして「オンライン上の働く場」が今後さらなる進化をしていく可能性が高いと考えられます。

WORK TRANSFOMATION Vol.2 ABWとは 07

自宅を1stプレイス、オフィスを2ndプレイス、自宅でもオフィスでもないリアル空間を3rdプレイス、
そしてそのすべてを包含するオンライン上の4thプレイス。ワークプレイスのハイブリッド化が進んでいる

 

◎働く人自身が創っていく変化

やるべき仕事に応じて環境を自由に選択できることで生産性・効率性を上げるばかりでなく、心身の健康にもプラスの影響を及ぼすことが可能です。また、自らの業務や将来的なキャリアだけではなく、家族との時間の過ごし方なども踏まえて、働き方の「ポートフォリオ」を自ら設計できる時代になることで、仕事・生活の両面における満足度やモチベーションの向上も期待できます。こうした状態を総称して「ウェルビーイング」(Well-Being)と言われます。

「私の会社はまだまだそこまで・・・」「生産現場と直結しているから絶対無理・・・」「大企業だけでしょ」というお声も聞こえてきそうですが、会社の制度にまでなっていないとしても、たとえば、取引先への外出前後、カフェで働いたりした経験はすでに多くの方がお持ちではないでしょうか。あるいは、今日は集中してプレゼン資料を仕上げたいから在宅勤務にし、翌日出来上がった資料について第3者のコメントを求めてオフィスに行ってみる、これもいわばABWです。社内だけではなく、異業種やユーザーとの創発を求めて3rdプレイスを活用することもこれからもっと普通の選択肢になってくるのではないかと思われます。

日々働く私たち自身が働き方の変化により自覚的になり、自社・自組織において議論したり実践したりすることによって、この日本でも働く人一人ひとりがもっとウェルビーイングな社会を目指せるのかもしれません。

  

次回は、こうした「働き方大改革」を見据え、長らく「オフィス事務用品メーカー」として生きてきたコクヨの新天地を切り開くべく、「WeWorkなんばスカイオ」にて、ABW時代に求められるバックパック開発に動き出した商品企画&開発者のストーリーをお届けします。お楽しみに!

(奥山)

出典:WORK TRANSFORMATION Vol.2

この記事で紹介したデータ以外にも、これからのワークスタイル戦略やオフィスのあり方についても考察しています。ご興味のある方はこちら。詳細レポートのダウンロードが可能です。

WORK TRANSFORMATION Vol.2

この記事を気に入ったら、シェア&ブックマークしましょう!