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ノートの取り方に完璧は存在するか?~中学生&高校生へのアンケートから~

2020.07.09

ノートの取り方に完璧は存在するか?~中学生&高校生へのアンケートから~

中学生・高校生の皆さんの知りたいことに答える企画。今回は、ついに本丸、「ノートの取り方」を取り上げます。皆さんのリアルな声をご紹介しながら「ノートの取り方に完璧は存在するのか?」壮大な疑問に挑みます。

#ノートの書き方#中学生#勉強法#高校生

中学生・高校生の必需品であり、かつ悩みの種ともなるノート。コクヨマガジンではこれまで様々な観点からノートの選び方を紹介してきました。アンケートにお答えいただいた内容から見えてきたのは、学習の目的や方法がそれぞれに違うため、ノートの選び方もそれぞれの使い方に合ったものを選ぶ、といういわば当然の結果でした。

悩んで選んだノートでいざ学習開始。ここで「どうやってノートを取ればいいの?」という新しい悩みが生まれます。

だから私たちは知りたいのです。誰にでも当てはまる完璧なノートの取り方を!!!

 

というわけで、今回は中学生・高校生824人に聞いたノートの取り方への意識と実態調査の結果と、コクヨインスタグラムのフォロワーへのアンケートをを紐解きながら、ノートとは?そのとり方に完璧な方法はあるのか?を探っていきたいと思います。

意識調査から見えてきた「ノート」に求めるもの

まずは中高生824人に聞いたノートの取り方への意識と実態調査をご覧ください。

Q:ノートの取り方次第で勉強の結果に差が出ると思いますか?

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ノートの取り方次第で勉強の結果に差が出ると思うかどうかを4段階で聞いたところ、約80%の方が「そう思う」と回答しています。その一方で、「自身が効果的にノートを取ることができているか?」の質問には以下の結果が出ています。

Q:自分は効果的にノートを取ることができている

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効果的にノート取ることができていると感じている人は約65%。およそ3分の1の人は、自分のノートの取り方になんらかの悩みを抱えていると言っていいでしょう。

ここで改めて、「ノートに何を書くのか?」に注目してみましょう。大まかに分けると以下の3つに分類することが出来ます。

・板書

・メモ

・問題を解く

学習者がノートを取ることで手に入れたいものは、

・板書によって新しい知識を得る

・メモを活用して記憶を固める

・問題を解いて応用が利くようにする

以上の3点に集約されます。

ひとことで「ノートを取る」と言っても、知識を取り入れ、自分のものにし、活用する、という学びのすべての段階をノートひとつで網羅しているわけです。ノートの取り方が人によって様々に分かれていく理由は、ここにあると言えます。

半数以上が実施しているノートの取り方

複数回答可の質問「あなたが実施しているノートの取り方は?」には、以下の回答が寄せられました。

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半数以上の方が「聞いたことや印象に残ったことをメモしておく」と回答しました。

授業で得た知識を自分のものとして定着させるために、そのとき五感で得た関連付けに役立つ情報や自分の感情・印象をメモとして記録しておく。前段で示したノートに求めることのうち、「記憶を固める」効果をノートで実現させたいという人が多いようです。

「図や線、記号などを活用する」、「きれいな文字で書く」、「使う色にルールを決める」「日付をつける」など、多くの方が実施しているノートの取り方は、後で見返すことを前提に、記憶を固める役割を重視していると想像できます。

私はこうする!教科別ノートの取り方

コクヨインスタフォロワーさんに聞いた「各教科ごとにノートやルーズリーフの取り方に工夫していることはありますか?」という質問に、たくさんの回答をいただきました。本当にありがとうございます!

各教科ごとに、これは!と思った回答を紹介します。

国語は、縦横の向きチェンジ!

圧倒的に多かったのが、ノートの向きを変えて使うという意見。国語の教科書は基本縦書きですし、ノートもそれに合わせて使うのが自然ですよね。

縦書きで使う、ドット付きにして字を揃える、下3マス文をメモに (大学生、高校時代を振り返って)

古典はノートを横にして、見開き1ページで4段つくります!上から本文、現代語訳、語彙、板書です!(高校2年生)

ノートの向き→縦書きなので、横にして見開きで上が古文、漢文書いたら下のページは現代語訳を書くなどして広く使う(社会人、高校時代を振り返って)

ご紹介したアンケート結果にもあるように、先生が言ったことや自分が感じたことや考えたことをノートの片隅にメモしておく、というのはノートの工夫で多い意見。メモ書き用のスペースを取るのは各教科共通で多かった意見でした。国語でもあります。

小説、説明文の授業の時、先生が言ったことの中で、テストの答えになりそうなことはメモしておいたり、文章を読んで、自分なりの解釈をノートの下に書いておいたりしてます(高校1年生)

時系列がわかりやすいように矢印を使ったり、字下げをして整理してます(高校1年生)

ノートを横にして縦書きで使っています。その下5センチ位を開けています。そこに先生が言ったことやわからない単語などを書いてメモとして使ってます(高校3年生)

数学は、とにかく贅沢に使うべし!

数学で目立ったのが、余白を大きく、贅沢に使うという意見です。

図形の単元では思いっきり図形を書くこと(高校2年生)

数学は図とか筆算とか色々書きたいから真ん中に線は引かずそのままです。もったいないかもしれないですが、かなり見やすくなります!1番いいのは無地です!(高校2年生)

あとから補足することが多いので板書用ノートも問題集用ノートも縦に区切る線は引かない。補足欄を作ると、書くこと多くて次の問題の横まで侵食してしまう...(高校3年生)

数学は演習問題なども多く、教科書・参考書を参照できるようにインデックス欄を作る、という意見も多く見られます。

左側、大体2目盛り分くらいのところで縦に線を引く!問題番号やページが分かりやすいようにです!(高校1年生)

各ページ、左側を2~3cmくらい開けて線を引いてます!そこにページ数とか、問○とかを書いてるので見やすくていいと思います!(高校1年生)

社会は、メモ必須科目!

社会で目立ったのは、板書を写すだけでなくメモを残す、という意見でした。

社会系はノートを使っていて、左に板書、右にメモを取るようにしてます!(高校2年生)

基本プリントに書き込む。先生の雑談?余談?とかもメモる時は吹き出しに入れるとスッキリする。少しだけなら矢印でもうまくまとまる。(大学1年生、高校時代を振り返って)

右6分の1くらいに線を引いてポイントや先生の小話を書いてます!(高校1年生)

ノートの端から4列目ぐらいのところで線を引いて、「板書」と「メモ」に分けてます!社会系の先生は結構面白い豆知識を言ってくれるので、テストに出てこなくてもメモしておくと、授業の様子を思い出しやすく、テスト範囲の内容が頭に入ってきやすいと思います!(高校1年生)

暗記しなければならない事柄が多い科目ですから、皆さん何とかして記憶を引き出す糸口をノートに残そうとしているようです。

ノートがそのまま自分だけの参考書になるような工夫も見受けられました。

テーマを明るい色でマーカー。文を短く。重要語句をマーカー(シートで隠す)。出来事、条約は色ペン(高校1年生)

ノートに名前が乗っている人の写真やグラフなどの資料をページの最後に貼ったり、先生の雑談的な補足情報を書けるように改行する時は1行空けます(高校2年生)

オレンジのペンを使って、重要語句は書いておいて、テスト前に暗記カードもどきにしてます。先生が言ったことで、面白いなとかテストに出そうだなとか感じたらメモしています。 色を分けて重要度が分かるようにもしています(高校1年生)

とても素敵な意見もいただいています。

まとめノートじゃなくて、知識を得る過程が見えるノートに(高校1年生)

歴史は物語だからノートをまたがないようにしてた(大学1年生、高校時代を振り返って)

理科は、図や絵、そしてプリントの活用・整理が大事!

理科で多かったのは図や絵、プリントが大事という意見でした。

テーマ、教科書ページをかく。図をたくさん書く。重要語句はマーカー。公式は色ペン(高校1年生)

原子記号などの記号は大きく、図はわかりやすくを意識しています。理科も、オレンジペンを多用して暗記カードにします。
理科は文で書くより、教科書などの図を見た方がわかりやすく感じるので、ノートより教科書をよくみてます。ノートには、公式や解法などをわかりやすく書いてます。付箋なども使っています(高校1年生)

図を大きく書くこと!理科(生物・化学で取りました)は図がないとイメージがつきにくかったりするので、まるまる1ページを図で埋めたりしていました(大学3年生、高校時代を振り返って)

メインの物質は名前を大きく四角とかで囲んで、経路の矢印を長めにすると、途中で出てくる物質も下に線が引けたりして目立たせることができたので、やっていました。複雑な図は、いらない紙にとりあえず写して休み時間に清書してました(笑)。いい暇つぶしになりましたし、わりと覚えられました。(大学3年生、高校時代を振り返って)

理科はこの世に起こる現象を説明する学問ですから、どんな現象が起こっているのか、どんな実験装置なのか、どんな色なのか、記憶を思い起こすきっかけとなる図や絵できちんと残すことが、学ぶための重要な要素なんですね。

英語は、バラエティ豊かなノート術!

これ!といった多数派意見が見られなかったのが英語でした。

裏表紙からわからなかった単語をまとめるコーナーにしている(高校1年生)

解答の根拠を書きつつ、スペースも多めにとる。単語の意味調べや初めて知ったことはA5のルーズリーフに羅列していき、一冊の自分用復習ノートのようにする(高校3年生)

ノートに教科書の本文を拡大コピーして貼っているので、ほとんどノート自体には書き込まない...(高校3年生)

英語は綺麗に、とにかく綺麗に書くことを意識しています。 重要な表現、よく出る表現、単語などで色を分けて、本文を写したところに意味を書き込んだり、注意を書き込んだりしてます。板書第一です。
文法が分かりずらい時は、空いてるスペースに自分の解釈でわかりやすく解説を書いておいて、後で先生に確認しています。(高校1年生)

 

英文と和訳を書く位置も人それぞれです。

<ページ分ける派>

左ページに教科書の文、右ページに和訳、文法。重要語句をマーカー(シートで隠す)(高校1年生)

ノートを半分にして半分を英文、半分を日本語訳に使ってます(中学3年生)

<行間に書く派>

英語は英文を書いた後に下に日本文を書けるように英文を書いた下を1行開けています。
また、大事だと思ったのは全部移すようにしてます(高校2年生)

英文の下は1行〜2行空けて、和訳や文型を書いています!(高校1年生)

1行目に英文を書いて、その下に日本語を書いて使用しています。左端に3cm幅の余白を縦にとって、知らない短語や新しく出てきた英単語と日本語の意味を書いています(大学1年生、高校時代を振り返って)

筆記具の使い分けもバラエティ豊かな回答をいただきました。

ノートの取り方に完璧はあるのか?

その他、教科ごとのノートの取り方に関するこだわりがあったら教えてください!という質問には、各人各様、こだわりのノートの取り方を語る熱い回答がたくさん!ペンの使い分けについてもみんなの意識はかなり高い!

基本的に1時間の授業で1ページの感覚で使うようにしています。なので、この前の続きなどと言われない限りは必ずページを変えます(高校2年生)

テスト前に新しくノートをまとめるのは二度手間だから、授業の時に書いたノートでテスト対策できるようにかく。かと言って色ペン何本も使ってカラフルにすると、色変えるところに注意がいってしまうから、基本シャーペンと赤と青。でも、先生が色分けしてる授業ならちゃんとそこに従った方が吉。

マーカーは何色も持ってた方がいいかも。マーキングする時には、英語、古典なら新出単語、文法事項、熟語とかで分けた方が見やすい。ここで大事なのが、重要度に分けてマーキングしないこと。

見直す時にどこを見ればいいか分からなくなるから、どうしても分けたい時は同じ色でもナミナミに引くとか、文字の下だけ線引くとかしてました(大学1年生、高校時代を振り返って)

プリントを貼った横のページは空けておくといっぱいかけて良いです。ノートは贅沢に!を合言葉にしています(中学2年生)

マーカーは3色(くすんだ青、グレー、ライムグリーン)、基本赤は使わない(謎に焦りが湧いてくる、青、緑中心)。マーカーを引きすぎない(高校1年生)

全教科、No.の所にその日の教科書のページを書いてます!(中学3年生)

どんな教科でも、ノートまとめでは基本ボールペンで書いてます!Campusのノートもルーズリーフもどんな筆記具でも書きやすいと思うのですが、ボールペンだと筆圧も一定であとから見ても綺麗に残ると思ってます!!(高校3年生)

全部に共通しますが、コーネルノートを参考にアレンジしていました。(大学2年生、高校時代を振り返って)

誰にでも当てはまる完璧なノートの取り方を求めて、みなさんの回答を検証してきました。しかし、ノートの選び方と同様、ノートの取り方にもその人なりの最善があるという当たり前の事実にたどり着いてしまったようです。

今日まで、ノートの選び方、取り方について、4回にわたってたっぷりお届けしてきました。

みなさんの勉強におけるノートの悩みがひとつでも解決できていれば幸いです。

(北)

★中学生・高校生のノートの使い分けリアルシリーズ

第1回:ノートの色分け、どうしてる?

第2回:ノートの罫線タイプ、教科別に使い分ける?

第3回:教科によってノートの種類を使い分けてる?

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